- 原作/金成陽三郎 漫画/さとうふみや
一言感想
過去の惨劇が生んだ凄惨な殺人事件に高校生探偵が挑む
面白いところ。
主人公・金田一一のクラスメイト時田若葉が、教師の小田切と親しい仲にあることが明るみになり、地元である『六角村』に帰ることになってしまいます。
その後、一と幼馴染の美雪の元へ、若葉から婚約者との結婚の知らせが届き、二人と若葉の恋人であった小田切の三人は六角村に赴きます。
六角村は六つの館のそれぞれに、ある箇所が欠けているミイラがあり、初めに発見された首のない若葉の死体を皮切りに、どんどんとそのミイラと同じ箇所の欠けた状態で住人が殺されていくのは何とも言えない気味の悪さでした。
密室でどうやって首を切り落としたのか、どうして村人は殺されていくのか、そもそもこのミイラの正体は何なのか、謎が謎を呼んで頭をひねりました。
一の推理で事件の全貌が明らかになり始め、密室トリックの解明や、ミイラの謎、犯人が小田切(本名は六星竜一)で、殺人の動機など怒涛の展開でした。
母の復讐のために、恋人であったはずの若葉を利用し殺し、残酷な手段で村人を殺していった凶悪な殺人鬼の小田切。
若葉をドラマの見すぎ、気持ちを利用してやったと言いながらも、本当は自分も若葉を愛していた小田切の涙はとても悲しかったです。
好きなエピソード。
若葉が小田切に絞殺される場面が心に残ってます。
首を絞められて、明らかに今から殺されるという瞬間にも関わらず抵抗せず、自分を殺す恋人を受け入れる若葉の涙と、愛する若葉を復讐のために手にかける小田切の涙に、2人の親たちが犯した過去の事件と今回の事件の残酷が増して伝わってきました。