「黒伯爵は星を愛でる」10巻 音久無・著
スコットランド編のクライマックスでした。苦しい時期を経てようやく手にした幸せといったところでしょうか。全体的にハッピーなオーラが満載の一冊となっていて、なんだかこちらまでほっこりした気分になれました。
エスターにとっては、ギルモア侯爵はずっと会うことが叶わなかった実の父。そんな二人に束の間でも一緒の時間を過ごしてほしいと、優しい気遣いをしたレオンにはグッときました。
そして、ギルモア侯爵とメグの出会いが語られていましたね。そんな偶然から知り合ったとはなんだか意外でしたが、メグが初めて顔を上げた時の瞳があまりにエスターとそっくりでハッとしました。メグがどんな気持ちでギルモア侯爵の元を去ったのかについて思いを馳せたエスターは、気持ちの整理ができたのではないでしょうか。なんとか「お父さん」と呼んでみようと頑張る姿は、とても微笑ましかったです。
ラストはハッピーエンドといった感じだったので最終回が近そうな予感がしますが、アルの行く末が少し気になりました。