感想
主人公は貧しい漁村で働く14歳の男の子アルベール。アルベールの住む国は男に権利がなく、捕まったら最後、貴族の子供でさえ男に生まれたというだけで奉公に出されてしまうほど男性蔑視の激しい国でした。
ある日友人とテオドアと一緒に、街に来たアルベール。奴隷商人からギィという王女の教育係賢側仕えの男に助けられ、アルベールが王女とウリ二つという理由で暗殺者たちから王女の身を守るために影武者になることになります。
しかし王女は暗殺され、民衆の平和な生活を守る女王になるという志を受け継いで、アルベールはその正体を隠しながら王女を続けるというストーリーです。このアルベールと王女は実は双子なのですが、生まれてすぐ男児だと殺されてしまうので隠れて育てられていたのです。
王女が矢に刺されるというシーンは本気で鳥肌が立ちました。まさに希望を失ってしまったかのように悲しいなと素直に思いました。あんなに国を想っていたのに殺されてしまった王女に、その妹は次期王位継承者の席に着けるとでも思っていたのでしょうか。さすがにバカというか愚かしいの一言に尽きます。
第1巻は結構なスピードでストーリーが進んでいくのですが、主人公が女王を演じるようになってからはゆっくりと進んでいくのでちゃんと楽しめたのでよかったです。