感想
恋愛、生活のことや家族、友人関係などの様々な人間模様をショートショートにまとめた短編集です。一番好きだな、と思ったエピソードは「なんてったってライバル-クリスマス編-」という話です。4畳半と3畳の台所に住む女性が向かいにすむ同じくらいの年代の女性を事あるごとに羨んでいきます。
全自動洗濯機、風呂付きの部屋、セクシーで美しい下着。どれも羨ましくて仕方ない主人公。クリスマスに彼氏が自宅にやってきて、あれやこれやと彼女に世話をやきます。でも向かいの女性に見せつけたくて仕方ない、見栄っ張りな彼女は彼とドタバタと暴れまわります。
すると外から自分たちをのぞく目が。そこでみたのはなんと、豪華な飾り付けのしてある部屋からのぞく、独りぼっちの向かいの女性。自分達はというと地味ながらも二人で楽しもうとしている。「実は私は幸せなのかも?」と気付く彼女。と、まさにこの隣の芝生は青いということわざがぴったりなストーリー。やっぱり、他人と比べるときりがないですからね。
自分が一番幸せだと納得できるような人生を送りたいものです。実際自分はというと、結婚妊娠と幸せ絶頂なのでマヒしてるかなと思いましたが、私自身能天気であまりくよくよしない性格なのでこんなふうに人を羨んだことないなと感じました。そうやっていろいろ考えさせられる作品だと思います。