」で便利でお安く。おそらくいま40代後半から50代くらいにかけての女性で、ヨーロッパのものが好きだったり、美術品が好きだったりする人は、かなりの確率でコミック連載時から読んだ漫画だと思います。
美しいものと美しい男子に目がないドリアン・レッド・グローリア伯爵と、任務遂行を喜びとする堅物のＮＡＴＯ軍人、クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐。
実は泥棒貴族の伯爵と、東側から「鉄のクラウス」と怖れられている少佐を中心に物語が進みます。
伯爵が美貌の青年たちを手下に従え、各地の高額美術品を盗み出すテクニックはルパン三世もビックリの鮮やかさ。
いっぽう、少佐はスパイを捕まえたり、おもに軍事目的の仕事をしているのでふたりの利害が一致することはまずありません。
出会う可能性が低かったこのふたりが出会ってしまったのは、第２話。
まったく別の目的でふたりが特殊な能力を持つ美形のロンドン大学講師の青年ガブリエルを追うことになったためです。
いまの言葉でいうならボーイズ・ラブとか、美少年趣味とか、そんな要素が盛りだくさんの作品なのですが、まったくいやらしくありません。
気がついたら伯爵の美少年趣味を受け入れてしまっている自分に気づきます。
美しいものが好きな人にはおすすめです。
