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水上悟志短編集「放浪世界」 作者のすべてが描かれた名短編集【感想ネタバレ注意!あらすじ】。 #COMIC

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長期連載が終了したところの、久々の短編集です。これまでの短編集の表題は、掲載されている作品でもコメディ作品を元にされていましたが、今回はひと味違ったシリアスな作品からつけられています。

双子の女の子の可愛い「竹屋敷姉妹、みやぶられる」や、良い年した妻子持ちのおっさんが魔法のランプにより中学生の頃の小説を無理矢理叶えさせられる「今更ファンタジー」も良かったですが、今回の目玉はシリアスなSFの「虚無をゆく」でしょう。

冒頭はごく一般的な団地の風景で始まり、実はそれが宇宙を旅する巨大ロボの中であり、更に主人公のユウ以外はすべてアンドロイドで地球を襲った怪獣達の本拠地を目指しており、実はその旅の途中で既に地球は滅んでいるということが分かります。中々に怒濤の展開です。

元々クローンによる世代交代を繰り返して目的地を目指していたものの、守るものもなく数世代前からは惰性で目指しているというどうしようもない状況ではあるもののそれでも欠けはしても折れずに進んでいくのには中々に痺れます。少年のユウも青年のユウもおっさんのユウもみんながかっこよかったです。

そしてそれを支えたアンドロイド達もまた良いです。アンドロイドに心があるのか哲学的ゾンビに過ぎないのかという問いには、彼らが製作者に言った「心はあなたにあるんです」という言葉が答えになっているように思えます。2018年最高の作品を読んでしまったかもしれません。