「初恋ダブルエッジ」8巻 小田原みづえ・著
ついに最終巻です。
修平とすみれさんのもどかしいやり取りが微笑ましかったです。腕を骨折してもほとんど表情の変わらない修平は、すごくクールですね。
ある意味、とのさんよりも冷静沈着で大人だなぁと感じました。すみれさんの方が年上ではありますが、修平とけっこうお似合いのカップルではないでしょうか。「自分が気遣われているとかうぬぼれですか?」とか言っちゃう生意気さもまた、見方を変えればかわいいですよね。こういう本音で話せる人は信頼できるので、すみれさんはいい選択をしたと思います。最後の方で、すみれさんが修平に告白してOKをもらうまでに2年かかったとさらりと書かれていたのには、なんだか笑えました。
そして、大学生になった謡はずいぶんたくましくなりましたね。中学時代の同級生に会ってしまい過去の事件をネタに脅されそうになった時、果敢に立ち向かった姿がとても印象的でした。ハッピーエンドで本当に良かったです。重い過去を背負った主人公でしたが、一貫して明るいストーリーで最後まで楽しめた作品でした。