感想
主人公は極普通の中学生の男の子、守屋悟。ある日、いつものように実の姉と夕食をとっていると突然、悪食伯爵と呼ばれる地獄の料理人ドグマが現れます。散々に料理人の魂を喰ってきたものの、満足感を得られず、「手に入らないのならばいっそのこと作ってしまおう。」と考えた彼は悟を一流の料理人に育てると宣言をします。
とても根気のいる作業だと思うのですが、人間ではない存在にとって人間の人生なんて秒速なんでしょうね。どことなく雰囲気が「魔人探偵脳噛ネウロ」に似ていてとても好きです。というかこういう雰囲気の作品はとても面白くて好きです。作中で、料理を作っている人たちや調理実習をしている人たちの慌ただしさを見て、「まるで戦場だ」と言っているシーンがありましたが、元調理師だった私から言わせてもらえばそう見えるのも無理ないなと思います。
だって、どうせ食べてもらえるのであれば出来たてで一番おいしいときをじっくりと味わってほしいしそう考えるのは調理師、というか料理をする人のふつうの考えではないかなと思います。そうなると、ひとり分のみを作っているわけはないので何個も同時に進行させなくてはならず、必然的に慌ただしくなってしまうのです。そこにはチームワークも必要なので知っていくとなかなか面白い仕事だとは思います。主人公も頑張って一流の料理人を目指すのですが、フードプロセッサくらいは使わせてやれよと思います。