田村由美さんの作品。普通の女の子の成長物語であると同時に、壮大な歴史スペクタクルドラマ。
田村さんの作品は、何でもかんでも好きだけど、その中でも長編のこの作品がおすすめです。
主人公の更紗(さらさ)が、責任感と自分の弱さの間で葛藤しながらも成長していく姿に感動です。生きていくことや命そのものを愛する心を教えてもらいました。
お気に入りのシーンは敵同士で恋人同士だった朱里(しゅり)と更紗が最後に抱き合うシーン。
前の戦いで片腕を失ってしまった朱里と、女の子に戻って朱里にしがみつく更紗。
「更紗・・・お前を抱くのに、腕が足りない」「朱里!朱里っ!」
二人はそれぞれ敵対する軍隊のリーダーだから、最初は自分の心を殺して戦いの先頭に立つんです。でも、結局愛の前にすべては無力で、愛がなかったら戦いに勝っても意味がなくて・・・結局敵同士だった二人が愛で結ばれることで、その世界に平和が生まれて広がっていく。泣きながら読みました!
脇を固めるキャラクターも、すごく個性が際立っていて、味のある設定!少女マンガだけど、迫力と重厚感がすごい!