小山 力也(おやま りきや) 強面だけじゃない魅力
恐らく、この人が演じた中で一番有名なのは、海外ドラマ「24」のジャック・バウアー役だ。一時期ほぼ毎日この声がテレビから聞こえていた程だろう。その役柄と相まって、タフで男臭くて、ワイルド。そんな印象が強い。
私もずっとそう思っていたのだが、スカパーで放送されていた「騎馬警官」という1995年製作の古めのドラマを吹き替えで見ていた時のこと。
主人公のベントン・フレイザーの声が、どこかで聞いたことが有る。
誠実そうで温和で、やや低めでパリッとハリのある声。
さて、どこで聞いただろう。
と、最後まで見終わって、エンドロールの声優さんの名前を見て驚愕。小山力也さんだった。
ジャック・バウアーとして記憶に残る声と全く違う。確かに声質やブレスなどは同じだけど、印象がまるで違う。タフさや男臭さよりも、柔らかい笑顔の役者さんと良く合った温和な声に感じられる。とても同一人物の声とは思えない。
他にも役柄によって声が全く変わる声優さんは多いが、この人の時ほど衝撃を受けたことは無かったと思う。この人の場合、劇的に声が変わるのではなく、そのトーンと抑揚、話し方が大きく印象を変えると思う。
この件以来、私はすっかりこの声優さんがお気に入りになってしまった。
ただ、やはり世間ではジャック・バウアーの印象が強すぎるのか、どうにもタフな役柄多いのが気にかかる。騎馬警官の場合はそれ以前の製作だったから、ああ言った役柄に当たったのかもしれない。今となってはレアなケースだろう。