桂歌丸師匠が亡くなりました。最後まで噺家の道を決意して邁進する姿は、静かな狂気さえ感じさせるものでした。一度、数年前に真景累ヶ淵を聴きました。年をとられたせいか少し聞きとりにくかったのですが、とても引き付けられる噺でした。
何よりも、自分はこの噺を極めるというライフワークとして取り組まれていたその情熱が感じられました。
お若い頃の話は軽妙で口調も小気味良く、その頃の高座もお聞きしたかったです。弟子の歌春師匠も独特の雰囲気と間を持ついい噺家さんです。今後、注目されるといいなと思います。笑点で落語を広めただけでなく、お弟子さんをちゃんと育てられた功績にも目を向けていただきたいものです。
ご冥福をお祈りいたします。