漫画家のアシスタントとして働く英雄の生活はある日突然出現したゾンビこと「ZQN」たちに壊される。恋人もゾンビになり、趣味の猟銃を武器にして逃げまわる英雄と、偶然知り合った、半分ゾンビに感染した女子高生ヒロミと共に逃げるところから物語が走り出す。
いろんな登場人物が出てきて、宗教の教祖のようにふるまう青年たちなど、生き残った者たちのコミュニティの中でピラミッド式に強者弱者が分かれ、弱いものは搾取され、強いものが奪うという、人間が究極の状況に追い込まれた時にどうなるか、もこの漫画のみどころだった。英雄のモブキャラっぽい、いわゆるヒーローっぽくはないのに見せるところは見せる人間としての強さや弱さが面白かった。最終巻になる22巻ではヒロミはどうなるのか、ゾンビたちはどうなるのかなどが気になったけれど、少し曖昧な終わり方だった。賛否両論あるのもわかるし、実際、私もラストシーンを読んだ時にはこれで終わりなのか、と意外に感じた。けれど、英雄らしいといえば英雄らしく、普通のハッピーエンドを用意したくないという、作者のこだわりも感じられた。