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棺担ぎのクロ。~懐中旅話~6巻:著者・きゆづきさとこ【感想ネタバレ注意!あらすじ】物語はクライマックスに突入していくのですが、その先に待つのは。 #COMIC

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棺担ぎのクロ。~懐中旅話~ 第6巻 著者・きゆづきさとこ

自分に呪いをかけた魔女を探すため、自らが入る予定の棺を背負う主人公のクロとコウモリのセン、道中で拾った不思議な双子のニジュクとサンジュたちが旅をする物語です。
長く不思議な旅もそろそろ終わりが見え始め、物語はクライマックスに突入していくのですが、その先に待つのは望んだ結末か、はたまた破滅か……というところでこの第6巻は終了しています。
この作品は主人公が自分の棺桶を背負って旅をするという、絶望しか見えないような設定で全体を通して暗く重い雰囲気(ページの余白が黒く塗られていることも含めて)がありますが、クロたちが出会う人物たちの不思議な柔らかさと優しさ、時折クスッと笑ってしまうシーンがあるので読後に暗い気持ちになることはありません。登場する人物全てが個性的で魅力があり、一冊を通して退屈する暇もなく読み終わってしまいます。
この巻ではクロが幻の国に入り込み旅人になる前の姿に戻るエピソードが収録されていて、滅多に感情を表に出さないクロが昔は活発でよく笑う子だったという描写に、魔女の呪いの深さを思い知らされます。その際にセンも人間の姿に戻りますが、普段のいい加減な性格がなりを潜めて真面目になる辺りが面白い。そのギャップで幻の国が幻であることを強調するかのような描写は著者の力量の成せる業と言えます。
呪いが進行しクロの体が蝕まれて限界に近いが、探している魔女も見え始めている……という状況から、どんな形で彼らの旅が終わるのか。
次巻でこの作品独特の不思議で優しいエンディングに繋がればいいなと思います。