「ハクメイとミコチ」5巻 樫木祐人・著
身長9センチのハクメイとミコチの日常生活を描いたこの作品。すでに5巻となりましたが相変わらずの面白さで、その独特の世界観に引き込まれました。
本好きの私としては、一番印象的だったのは「司書の一日」というエピソードです。子ども向けの絵本から専門書まで探し出したり、取り寄せしていた本からその人の好みを推察して別の本を勧めてみたり、プロの働きぶりを見せる司書さん。多種多様な動物が共存している世界なので、大きな獣向けにものすごくでっかい本を台車に載せて引っ張ってくる様子には、思わず笑ってしまいました。しかしふらっとやってきたハクメイが無自覚に司書さんのプライドを傷つけるラストの展開は、微笑ましくもおかしかったです。
また、ハクメイがマキナタに来る前にキャラバンにいた時の話には、胸打たれるものがありました。そんな過去があったんですね。総隊長の緑尾老を見たら、ふと「もののけ姫」のサンを思い出しました。凛としたたたずまいが、とてもかっこよかったです。