「ラストゲーム」7巻 天乃忍・著
やたら柳を意識するようになった九条さん。それに気づいた柳が、さっそく調子に乗りまくっていたのが笑えました。そういえば本来はこういうキャラクターなのでしたね。勝手に浮かれている柳をしり目に、相馬が九条さんにストレートに告白したのは、勇気ある行動で見直してしまいました。桃香に背中を押されたことも、きっかけになったのでしょうね。
能面のような顔でずっとクールさを貫き、ひたすら我が道を進んできた九条さん。でもこの巻では、汗をかいたり顔を赤くしたりと感情を振り回される姿が多く見られて、なんだか新鮮でした。柳と相馬が競うかのように二人してガンガンアプローチしてくるので、どうしていいかわからず、結局逃げてしまう九条さんはとても幼く見えました。それも小さい頃にお父さんを亡くした経験が少なからず影響しているようで、ついには涙腺が崩壊して泣きまくる様子は痛々しかったです。そんな九条さんに「もっと頼っていいんだよ」と言ったしおりの優しさには、ホロリとさせられました。