「逃げるは恥だが役に立つ」2巻 海野つなみ・著
雇用関係で結ばれたみくりと平匡の、契約としての結婚生活が始まりました。徐々にみくりを意識するようになった平匡が、なんだかとても人間らしくて私は好感が持てました。だからといって平匡からなにか行動を起こすわけでもなく、発展しないしさせないからいつまでも独身なんだ、と冷静に自己分析できているところにハッとさせられます。
今時の独身男性って、実は平匡のようなタイプも意外と多かったりするのでしょうか。自分のことを独身のプロと言ってしまうあたりは悲しいような気もしますが、考えさせられるものがありました。みくりが結婚しても家事代行を続けてほしいと願う平匡と、平匡が結婚してもなんとか仕事を続けられないだろうかと妄想するみくり。読者から見ると、なんとももどかしく複雑な気持ちになります。
そして、みくりと風見さんが現代社会における雇用について語り合うエピソードには、すごく引き込まれました。考え出したらとまらなくなる話で、深いですね。保険のきかない高額な歯科治療にアタフタするみくりを見て、同じ経験をしたことがある身としてとても共感しました。