「ぼくは麻理のなか」6巻 押見修造・著
本物の麻理は実は麻理の体の中に眠っているのではという考えに至って以来、依はやたらと主人公にベタベタしてくるようになります。「麻理」と名前を呼び捨てにして常に手をつないで行動し、完全に自分を麻理扱いしてくる依の態度に、主人公は戸惑いを隠せません。一方、本来の僕である小森もまた、中身は自分自身である麻理に告白するというおかしな行動に出るのでした。
描写は生々しく、ずれた世界観を描いているので、生理的嫌悪感を感じずにはいられないというのが率直な感想です。でもそれを主人公、依、小森の3人とも実は自覚していて、何度も「気持ち悪い」と発言しているんですよね。それがなんとも印象的に感じました。
一連の事態に疲れた主人公は、弟と一緒に古いアルバムを引っ張り出し、麻理の過去の思い出に触れます。そこで麻理の記憶らしいものを思い出します。麻理の母の様子も不自然だったので、「ふみこ」という人物が謎を解くカギとなるのでしょうか。登場人物たちの目がホラーチックでぞっとしつつも引き込まれました。
☆今日のブログ飯(パチスロやりたいっす)
この本を読み終わった時になぜか長年胸につっかえていたものが軽くなったような気がしました。けして明るい話ではなく、むしろ暗くて文章の一つ一つが胸に刺さるような印象をもって読んでいたので不思議でした。
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