秒速5センチメートル
少年少女の淡い気持ちが、距離と時間というものによって、どうしようもなくなる、切ない話。
私は三部作の、最初の話と、最後の山崎まさよしさんの「One more time, One more chance」の歌が流れるところが凄く胸が苦しくなります。
このアニメ大好きなんだよね!って、テンション高らかにアピール出来るアニメじゃなくて、一冊の純文学みたいなアニメです。
大好きっていったら、相手が自分のテリトリーを知っちゃうような、好きな人としか共有したくないような、そんな「好き」。
両想いだからって、気持ちだけでどうにかなるものじゃない。
相手とどういう関係になりたいかのベクトルがずれれば、すれ違うし、このアニメみたいに、想いはあるけど、離れている時間が長くて、日常を共有するにはどう手紙を書いたらいいかもわからなくなることもある。
大人になって、別のひとと生きることになっても、ずっとずっと、穏やかに好きなまま、美しいアルバムみたいな気持ちになるんだろうな。そんなセンチメンタルな気持ちを引き摺り出してくれるアニメ。