一言感想
敵さえも仲間に変えてしまう少女たちの純粋で強い心に感動です。
面白いところ。
少女たちの行く手を阻もうと要所要所で登場してくる、敵の設定が面白いです。皆、悪のトップから命令されてやってはいるのですが、例えば、お金をもらったからやってるだけの大阪弁の踊り子、とか、友達のドラゴンがどこへ行っても邪魔者扱いされるからいっそのことそのドラゴンと一緒に悪者になろうとした少年…などなど、根っから悪い人がいません。
ちなみにその、友達のドラゴンと一緒に悪者になろうとした少年には、強気な海が一発ビンタで説教するのですが、とても心に響く言葉があり、感動的でした。
好きなところ。
敵の中には、ボスに精神を操られて攻撃をしてくる者もいるのですが、少女たちはそれを笑顔で「許そう」とします。優しい心が敵の心も溶かしていきます。いつのまにか彼女たちを応援する人たちが増えていくんですね。読者も心を奪われます。
好きなエピソード。
どんでん返しのラストが待っています。切ない設定です。人が人を想うのに、立場や、決まりが邪魔をし、最終的に破滅してしまう…。それを目の当たりにした少女たちは、とても苦しかっただろうなと思います…。
読み終わって。
この作品は本当に、あっという間に読み終わってしまいます。終わったあとに一瞬の喪失感が残るのですが、、、このあっという間に起きた少女たちの味わった経験を思うと、「やっぱり凄い話だなあ…」と感じます。舞台はまるでゲームの世界ですが、少女たちの葛藤の濃さは半端ではありません。
作者に関して。
CLAMPさんの作品には、他のCLAMP作品に出てくるキャラクターが何処かに出ていたり、舞台設定がどこか似ていたり…、遊び心満載なんですね。この作品に出てきた「もこな」も、他のいくつかの作品にも出ているので、徹底的に探してみると面白いかもしれませんね。