一言感想
タケヒコが自分の幸せについて初めて考え始めますが、なかなか上手くいかないところが、とにかくもどかしい!
面白いところ。
超能力者の夢を諦めた男(通称・サイキッカー)が、「タケヒコの妹との子供が欲しい」と新しい夢を語りだすところ。「絶対に嫌だ!!」とあらゆる言葉でサイキッカーの気持ちを鎮めようと必死になるタケヒコと、サイキッカーのやり取りがあまりにも野性的で笑ってしまいます。
好きなエピソード。その1
無理矢理実家に連れ戻されたタケヒコが、妹の愛ちゃんと真剣にお互いの夢を言い合うところ。タケヒコは、自分の自立(つまり自分がいなくなること)が愛ちゃんのためになると信じてやみませんが…愛ちゃんも、タケヒコの幸せが自分の幸せだと泣きながら訴えます。兄弟愛が溢れんばかりのシーンです。
好きなエピソード。その2
愛ちゃんから「素敵な人と出逢って、幸せになって欲しい」と言われ、自分を愛してくれる女の人を捜すタケヒコ。そこに明日にでも死のうかと考えていた女性作家・トモ子が現れて、お互いを受け入れる為に必死に討論するシーンがあるのですが、そこがたまらなく面白くて…。女性を全く知らないタケヒコがとる、あまりにぶっきらぼう(照れるとかとはまた違う)な態度が煮え切らなくて、読者もトモ子と一緒になって怒ってしまいそうです(笑)。
好きなキャラ。
トモ子。女性読者が好きそうなキャラクターだと思います。タケヒコの横暴な態度にも基本的に凛としていますが、痛い所をつかれて言い合いになるところなんかは、特に彼女の面白さが際立ちます。タケヒコのめちゃくちゃさに腹が立って、今まで諦めかけていたこと(仕事、生きる事…)に奮起する前向きさも、彼女の魅力だと思います。