一言感想
バカなようで深い。…ような気がしてくる、不思議なお話(笑)
面白いところ。
妹の“愛ちゃん”命!な男・タケヒコの止まらぬ暴走の数々。非道な様で、実は優しい良いヤツ。…かと思ったらやっぱりバカなのか!?と、なかなか掴めない、読者振り回されっぱなしの(笑)古谷実ワールドが繰り広げられています。
好きなところ。
時折タケヒコの妄想の中に現れる、不思議な生き物が好きです。しょっぱなからイチゴ男が出てきます。しかしタケヒコは数々の修行(人様の考えつかないような…)を積んできているので、そんなやつらに精神を持っていかれたりしません。妄想の中で、まるで僧侶のような表情と言葉を不思議な生き物と交わすタケヒコには、人間を超越した何かを感じます。
好きなキャラ。
貧乏大学生のタイチくんです。家出をしてきたタケヒコと、たまたま出会った、住所不定無職の谷川さん(通称ブタ男)という迷惑な二人を自分の部屋に居候させてあげる優しい少年です。というのも、バイト先の店長から下着泥棒をするよう命令されて仕方なくやっていたところを二人に見つかって、そのまま脅された形なんですが・・・。タイチくん、健気な良い子なんです。
好きなエピソード。
タケヒコが、タイチくんの下着泥棒事件を見逃す変わりにと、タイチくんを(なぜか谷川さんも)、マーカーで全身にブツブツを描いてしまったところ。タケヒコによるとそれは「ブツブツマン」というらしく、常識を破り、この世の何にも囚われず瞬間瞬間を全力で生きる生き物なんだそうで…。タイチくんは健気にもその格好で学校にも通い、バイトにも行きました。でもそれがきっかけで、タイチくんのことを密かに好きだった女の子との距離が縮まったんですけどね。
作者に関して。
誰もが名前だけは聞いた事があるだろうという「行け!稲中卓球部」の作者です。この方の作品にはもう、愛すべきキャラが沢山出てきます。情けないし人に迷惑をかけるし…でもなんだか嫌いじゃない。そんなキャラクターたちをついつい応援してしまう、そんな作品が多いです!