少女向け漫画ですが、熱血ッ!!!
舞台は、王族に支配されていて、庶民が苦しい生活に圧迫されている架空の未来か過去の日本です。
産まれたときに救世主と予言された兄が王族の四兄弟のひとり・赤の王に殺された少女、更紗が主人公。彼女は赤の王への恨み、村のみんなへの想いを支えに、更紗であることを捨て、兄タタラとして生きていくことを決めたところから物語は始まります。
戦の中に常に身を置きながら、目の前のであったひとたちに妥協せずかかわっていく姿は、たくさんの仲間をつくり、ただの敵討ちがそのうちに国を変えるという目標をもった戦いへとかわっていきます。
タタラとして生きることへの迷い、責任につぶされそうな苦しさ、決してヒーローではない生身の人間としての更紗の気持ちが痛いほど強く物語をひっぱっています。
愛ってどういうかたちであるべきものなのか、恨みの気持ちってどうしたらいいのか、相反する自分の気持ちに疲れ果てたらどうしたらいいのか、逃げて逃げたらそのあとどう生きるのか・・・
戦いもロマンスもあるけれど、更紗の感情と選ぶ道が、痛々しいけれど強くてもう読み出したらとまらない漫画です。