- 渡瀬悠宇
一言感想
ついにきた神獣召喚。
「私はこのときのためにここに来た」という主人公・奥田多喜子のセリフそのままに作品の世界観と言ってもいいです。
好きなエピソード。
命がけで玄武を召喚し、仲間を失いながらもその神とも言える力を国のために人の命を救うためだけに使う多喜子。
結核という病と力を使う度の内部から神獣に喰われるという苦痛の中、負けないと願いを叶えようとする姿に涙が出ます。
純粋な願いだけで、国のために、他人の命のために自分を捧げた多喜子は美しいけど、哀しい巫女でした。
おすすめ。
神獣・玄武と交わり「開神」という言葉により、永久凍土となりつつあった国に、春を、青空を、緑の大地を願い、天をも動かす巫女多喜子。
神の力を使う代償を払いながらもその瞳は前しか向いていませんでした。
作者に関して。
この話は「ふしぎ遊戯」という物語のはじまりの物語として描かれました。
「ふしぎ遊戯」では青竜の巫女と朱雀の巫女、二人の巫女が描かれ、「ふしぎ遊戯~玄武開伝~」はその表題通りに玄武の巫女の話でした。
残るは白虎の巫女の話で、玄武の巫女の次の時代になる話だそうで、描く予定があるということなのでとても楽しみにしています。
その他。
召喚された神獣がとても格好良かったです。
亀と蛇が合わさった神というイメージがしにくいながらもあったイメージが吹き飛びました。