」で便利でお安く。一言で現すならリアル系ゾンビ感染ものです。
まず最初の出だしは主人公こと、鈴木英雄(すずきひでお)の生々しい日常を描くことから始まります。
彼は漫画家のアシスタントをしており、さえない日々を送っています。
「自分は所詮脇役だ」と名前(英雄、HERO)に準ずるようなコンプレックスを抱いています。
そのコンプレックスのせいか、毎晩うなされるような恐怖に襲われます。
ですがそのままの生活で妥協しながら暮らしていました。
しかし、 感染は突然始まる……。
ゆっくりと崩壊していく日常、英雄の彼女さんも感染して英雄に襲いかかる。
……なんとか危機を脱したものの、気づいた頃にはよく知っている日常は何処かに消えていた。
自分には何が残されているのか。
手元には散弾銃……。
英雄は意外にも銃の腕前は一級品だし、ここぞという時には動きます。
でもさえない感じが抜けないのもいい。
その中で様々な個性的な人物との出会いがあって、コミュニティが形成されたり、崩壊したりしながらも、とりあえず「生き抜く」ことを目標としていきます。
感染者のことをゾンビと直接表さず、ZQNと表すのもいい。
主要と思われるような人物もどんどん感染していって、展開に予想がつきませんが、読者が疑問に思うような謎は少しずつ解明されていきます。
日常に突如訪れる災害。巻き起こるパンデミック。並行するストーリー。連続するハラハラな展開。予想外で最高に面白いです。
感染ものでありながら、リアルな日常の崩壊、こまかな感情の描写、突き抜けるような展開、が読んでいて気持ちいいです。
英雄はヒーローになれるのか……！！
今までにない斬新な最高の漫画だと思います！！
