一言感想
どこにでもあるような、けれどどこにもないような、恋のお話。
面白いところ。
出てくる男たちはほとんどみんなゲイ。彼らが純粋な思いを抱え、ときには抑えられない欲望を抱き悩む姿はどこかかわいい。それから、彼らの恋愛の中には、いつもおいしそうな食べ物が出てくるのも魅力。また、所謂BLマンガでありながら、女性の存在をないものとして扱わず、女の子は男の子を好きになる、というところから逃げずに描かれているのが良いと思う。
好きなところ。
ちょくちょく出てくる料理がいちいち美味しそうなところ。手放しに明るいわけではなくても、決して暗いわけでもなく、日常的な距離感のある物語。
好きなキャラ。
なるちゃん、こと鳴海陸子。唯一ちゃんと名前の出てくる女の子。しかも、さわやかに深く物語に絡んでいる。いわゆる女子的ないやらしさがな一頃も魅力的。
好きなエピソード。
1巻1話、月とサンダル。ゲイの高校生、小林弘一がいきなり失恋をするのだが、相手もゲイでしかも彼氏持ち。そんな相手の家に、食事を作りに行ってあげる小林が、健気でかわいい。しかも、相手の彼氏が料理人、という設定も、食事を作りに行く小林の姿を切なくさせているところが好き。
おすすめ。
隣で起こっていてもおかしくないような日常的なエピソードと、ゲイ、というどこか遠く感じがちな人たちとの距離感。
作品に関する思い出。
何かの本で紹介されていて、古本屋で偶然見つけたので買ってみた一冊。なぜか最初に2巻を買ってしまったのが謎の思い出。