沙村広明「無限の住人」(一巻)みんな死んでいるかしら
主人公が死ぬことで始まる沙村広明著「無限の住人」。
映画化されたので私は漫画のほうも読むことにした。
この漫画は前述したとおり、主人公が死ぬことで始まる。というか、生き返ってから始まる。
はっきりいって意味が分からない漫画だ。八尾比丘尼がでてきたり「しど・びしゃす」なる敵キャラクターも登場するし(当然、英国の有名パンクバンドのベーシストの名前だ)。
時代劇として劇画風に残酷でありながら、どこかユーモアが感じられるのは、感性が現代的だから、つまり同時代性があるからではないだろうか。
だから、かなり前の発売された漫画でも、面白く読める部分もある。残酷描写のすさまじさはもしかしたら、現代ではもしかしたら「無限の住人」を超えるものは無いかも。
だって、あまりにも救いがないから。そこが劇画としての魅力になっている。
時代劇なのに近未来風の風貌(刺青の入れ方がサイバーパンクしている、もっと書くとスチームパンク、もっと書くと江戸パンク)なのが意外と魅力だ。