「きょうのキラ君」9巻 みきもと凛・著
キラ君の心臓が止まった、という連絡が来た緊迫のシーンからのスタートでした。すぐ蘇生したものの緊急オペとなったと聞かされたニノが、なすすべもなくただ祈るしかできないつらさが痛いほど伝わってきました。そんなニノのそばにそっと寄り添う澪と矢部は、本当に優しいですね。
手術は終わったものの、昏睡状態に陥ってしまったキラ君。そんな頃、かつてニノをいじめてケガをさせた男子が現れます。苦しむニノを救ったのは、キラ君から届いたラブレターでした。泣いたり笑ったりしながらも力強く生きているニノは、本当に芯の強い勇敢な女の子だなぁと思います。ニノがそばにいる時にキラ君が目を覚ますことができて、本当によかったです。
そして、ずっとニノを見守ってきたインコの先生との別れのシーンは泣きました。さらに元気になったキラ君が大阪に行ってしまうなど、終盤はかなり駆け足でしたがハッピーエンドでホッとしました。「一生懸命生きる」という言葉がとても胸に沁みた、素敵な作品でした。