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アフターダーク(村上春樹)感想&書評!ゴダールのアルファヴィルという映画と、ファイブスポット・アフターダークというジャズと、そしてスガシカオの楽曲バクダンジュースだ(ネタバレ注意) #小説

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アフターダーク(村上春樹)を何度も再読

アフターダークは村上春樹(むらかみはるき)の中編小説で、読めばものの2時間で読み終わってしまう。しかし、この物語はそれよりも長い小説よりも理解するのにとても時間のかかった小説で何度も何度も読むことになった。
ただわからないから読むのではなく、読んだときから自分はこの物語に好感を抱いたと感じたからだ。この物語をもっと深く読みたい。その思いでときどきこの本を手に取った。
私達という不思議な視点が深夜の都会を照らし、ファミリーレストランで分厚い本を読みふけるマリという大学に入ったばかりの少女を見つける。そこから物語が始まり、視点はその周りにいる人々へも向かっていく。
この本を読んで気になるワードがゴダールのアルファヴィルという映画と、ファイブスポット・アフターダークというジャズと、そしてスガシカオの楽曲バクダンジュースだ。村上作品は読んだあとにこういったものを聴いてみよう、見てみよう、ということが良くある。
私は特に高橋くんというキャラクターが好きである。優しい気のきかない雑種犬みたいな、あまり外見的には冴えない雰囲気の男の子だけれど、マリへ向ける言葉がやはり優しく、どんな女の子も喜ばすことができるというか、心に暖かいものをくれる感じで、読むたびに好感度が上がり、そして嵐の相葉くんに見えてならない。最近読んで、笑うと目尻にくしゃっと皺ができるところにとてもどっきりした。とにかく、彼が最後にマリに向ける言葉がとてもロマンチックである。
心理学者の河合隼雄(かわいはやお)氏はこの物語はマリの世界で、マリの範囲に及ばない所での話はマリの無意識の世界だということを言っていたことを聞いて、少しこれが正解と言うわけではないけれど、この短く難解な世界を自分なりに深めることができる助けにもなった。それでもこの話はときどき読み返さなくてはならない。村上作品はひとつひとつの文章がそういった気を起こさせてしまう。私にとって、アフターダークはよりそう思わせてしまう存在なのだ。