バッテリー第5巻 原作あさのあつこ
無事、中学校の野球部に入部できた原田巧(はらだたくみ)と永倉豪(ながくらごう)ですが、野球への先に見ているものが違ってぶつかります。永倉は中学校で野球をやるため、巧とバッテリーを組むためには監督の言うことを聞き、先輩の言うことを聞き、親の言うことを聞くことも大事だと巧に説きます。
しかし、巧は「自分の野球」をすることだけをしたいと聞く耳を持ちません。私たちの日常生活でもそうですね。先生に好かれたいから言うことを聞く、上司に目をかけてもらうためにへこへこする、そんな姿をたくさん見てきました。私は下手なので出来ません。巧の姿が格好良いと思います。巧の見ているものは永倉のミット、永倉の見ているものは顧問であり先輩、時には親といった感じです。永倉の言っている「すべての決定権は向こうにある」は確かなんですが、それに怯えて生きることへの問題提起を巧はしてくれている気がします。やりたいことがあるのならただ純粋にそのことだけを考える、他の要因は関係ないと背中を押してくれるストーリーが好きです。