」で便利でお安く。ハチワンダイバー (週刊ヤングジャンプ連載中)柴田ヨクサル
異端将棋漫画「ハチワンダイバー」を紹介します。
異端といえば将棋漫画というだけで漫画のなかでは異端派と呼べると思いますが、この「ハチワン」はその中でもとびきりです。
ハチワンダイバーとは、「81マスの将棋盤に潜り込む」という意味で、それほど深く将棋の世界に入り込むということです。
作者の柴田ヨクサルは、前作「エアマスター」でもそうですが、信念や執念、矜持といった強固な意思を描くことに拘りがあるようで、作中のキャラクターたちからは、狂気のごとき将棋愛を感じます。
王貞治は一本足打法の練習で畳を擦りきったといいますが、ハチワンにおける登場人物、特に主人公、ハチワンダイバーこと菅田健太郎からは非常にそれを感じます。
将棋に詳しくなくとも、例えルールをしらなくたも、ノープロブレム。あるときは格闘ゲーム風、あるときは艦隊戦風、あるときはドラゴンボール風、あるときは怪獣映画風に…等々、様々な比喩が戦況を表現し、ﾄﾞ迫力な将棋ワールトに読者を牽引します。のみならず、時には本物の喧嘩に発展するかたはずれ、ハチャメチャな将棋漫画です。
一人の男が何を思い、何を考えたらこれほどひとつの事柄に捨て身で打ち込めるのか。
もしかしてわたしたち日本人に足りないのはこれではないのかと、悟りを開いてしまうほど、異様にカッコイイキャラクターと台詞回し。名言がやたら多いことも特徴的な漫画です。
生き方に行き詰まっている人にはぜひ見てほしい。「ハチワンダイバー」お勧めです。
