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月夜烏草紙(及川七生)感想&あらすじ・絵がキレイ、千鶴は辻斬りと、美しい妖怪・紫紅(しこう)と若葉(わかば)と…ネタバレ注意。

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一言感想

強く聡明な女性とそれを取り巻く美しい妖怪のお話。

面白いところ。

とにかく絵がキレイです。
幻想的で、表紙の色使い、本編の背景の書き込まれ方や人の表情など、本当に見とれてしまうレベルです。
お話の舞台は明治。主人公・千鶴は芝居の帰り道に辻斬りと、美しい妖怪・紫紅(しこう)と若葉(わかば)と出会います。

妖怪なので、色々謎に包まれているのではありますが、人と差別しない、他の女性とは違い気が強く聡明な心を持つ千鶴に興味を持ち、行動を共にするようになります。
人が死んで、成仏できなくなりそのうち妖怪になるようなのですが、そのためか人間の本質に触れたり、非常に人間味の溢れるこのお話。
身分違いの恋で思い悩む心や、愛する人にひどく執着する心など、人間の心の深いところを妖怪(霊)に絡めながら進めていくところに面白さを感じます。
読み進めていくうちに、千鶴と紫紅たち妖怪との関係がわかってきたり、亡き祖母との関係がわかったり、読み飽きないです。

好きなエピソード。

『貴婦人』
千鶴の女学校の同級生・絵子は、身分の違う書生の青年・美濃と恋をしているのですが、商家である家族がその交際を許さず、仲を引き裂こうとします。
時代が時代で、親の決めた結婚こそが女の幸せであるという考えの中、お見合いを断ったり、結婚が全てではないという自由な千鶴に嫉妬してしまう。
少しの隙を見つけて逢瀬を重ねていたのですが、とうとう見張りまでつけられ結婚を決められてしまいます。
縁談の話が持ち上がり、二人で駆け落ちしようと言う誘いも、美濃から勉学を奪いたくないという一心で、断る絵子。
しかし、両親が美濃を大学から追い出したと聞き、心が闇に飲み込まれ鬼になる寸前…というところで、美濃が絵子を迎えに来ます。
美濃の、好きな勉強や全てを捨ててでも絵子と共にいたいという気持ちも、絵子の、美濃の大切なものを奪いたくないという気持ちも、相手を思いやる一心はとても美しいなと感じました。