3月のライオン
将棋漫画ですが、とにかく熱いです。とりわけ、ジジイ、オヤジが熱いです。例えば8巻ではまさにそのジジイが表紙を飾っていますが、対局前にいくつも薬を飲み、白内障の目薬をし、背中や腰に大量の湿布を貼ったジジイと、胃が弱く、抜け毛に悩むオヤジの二人の戦いであるのに関わらず、とにかくその二人が熱く、かっこいいのです。
多くの時間を費やし、将棋という戦いの世界で戦い続けてきた男たちです。積み重ねてきたもの、背負って来たものがお互いにあり、そしてそれらを手放さずに戦っている。そうした重みが存分に描写されており、あるいは街に出れば何の変哲もない老人や中年であるかもしれませんが、将棋盤を前にすれば、二人はあまりに力強く、そして、かっこいいのです。
かっこいいジジイ、オヤジはそれ以外にも沢山出てきますし、主人公の零は高校生で、彼と、彼を取り巻く若い人たちの話もまた、若さ故の思いや熱意があり、かっこいいです。