銀と金 福本伸行
天やアカギ、カイジに代表する福本作品の中でもずば抜けて優れている、人生感まで変えさせられた傑作です。
主人公である平井銀二の野望は、経済界をまるごと牛耳り日本を乗っ取ること。その為のパートナーとして白羽の矢が立った森田鉄雄と共に、投資家・画家・一流企業の御曹司・巨大グループ企業創設者等、様々な強敵をなぎ倒していく“賭博心理漫画”とでも言えばいいのでしょうか。
前述した漫画では麻雀やギャンブルに特化した内容ですが、この作品は欲望に塗れた人間の愚かな心理を、時にギャンブル、時に証券市場を舞台とし、巧みに描かれております。
当然、福本作品ならではの名言も数多く生まれており、その一言一句にはたくさんの読者が感銘を受けたのではないでしょうか。
尚、タイトルの「銀と金」の由来ですが、平井銀二の愛称である“銀さんに負けず劣らぬ金に自分はなりたい”と夢を馳せた、森田の未熟でありながらも壮大且つ、アツい思いから来ております。