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ユーベルブラット-Übel Blatt/感想ネタバレ注意・主人公の格好良さ、腕から黒い大剣を出現させるなど、超常的な技も…。

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  • タイトル=『Übel Blatt』(ユーベルブラット)
  • 作者=塩野干支郎次

※この漫画は、第零巻から始まります。なお、下記の本文には、第零巻における仕掛けのネタバレが含まれますこと、ご留意ください。

~以下、本文~

 昨今の漫画業界において、ファンタジーは難色とされています。読み手は奇抜さを求め、出版社は王道を避ける。そんな潮流の中にあってしかし、Ubel Blattはあえて、王道なファンタジー世界で、ストーリーが展開します。

 かつて、国を救うために旅に出た主人公、ケインツェル(本名・アシェリート)は、その途上で仲間に裏切られ、手柄と名誉を丸ごと奪われてしまう。瀕死の状態となり、復讐を誓った彼が、帰還した母国で見た現実とは……!?

 一番の魅力は、何と言っても主人公の格好良さ。腕から黒い大剣を出現させるなど、超常的な技も持ちますが、基本は腰に提げた剣一本で、幾多の強敵を倒していく。復讐を近いながらも、実は誰より命の大切さを知る、どこか矛盾したような後ろ姿は、何とも言えない寂寥感を感じさせます。

 復讐という重いテーマを扱いながら、その中で育まれていく様々な絆。複雑に絡み合う政治、情勢。その中で、たった一つの目的のために進む主人公の姿は、己を見失わないということの大切さを教えてくれるのです。

~本文、以上~