著者:佐々木倫子(ささきのりこ)
とある病院の内科に勤務する新米看護師の患者さんとのやり取り、先輩看護師、医師との関わりを経て成長していくコミカルな漫画です。
面白いところ。
病院の話というと患者の命を預かる所なので、真面目で優しい看護師さんがいて、先生がしっかり診察してくれて…というイメージが私にはありました。しかし、この漫画は主人公の新米看護師が個性的で、患者さんも一癖も二癖もあるというもので、読んでいて読者を飽きさせません。そこがいいと思います。
すきなキャラクター
主人公の似鳥(にたとり)ユキエです。正義感が強く、負けず嫌いで相手を見返そうとするので、よく問題を起こします。勘違いや妄想もあり、そこがさらに彼女の面白さをさらに際立たせています。根はいい人なんですけどね。
好きなエピソード
2つあるのですが、1つはワイドコミックの2巻に収録されています。山田さんというおじいさんで何の病気だか忘れてしまいましたが、入院することになり、似鳥さんが担当になりました。とても頑固で偏屈なおじいさんで、他の看護士さんが検温や血圧を測ったりするときは素直に従うのに、なぜか似鳥さんの時だけは素直に従わず、食事も食べさせようとしても食べようとしません。いたずらをして困らせています。さすがに似鳥さんも負けず嫌いな性格なので、とても悔しがり、なんでそこまで自分にだけ嫌な思いをさせるのだろうか、どうしたらやり込めることが出来るだろうかと知恵を絞ります。それを見ていた山田さんの奥さんがアドバイスをしてくれるのです。「豊子さん」という名を言えばおとなしくなると。そして実際にその名前を紙に書きおじいさんに見せると本当に、おとなしくなりました。その理由は、読んでからのお楽しみに。このおじいさんは気に入った人には意地悪をしたくなる人のようです。子供みたいな人ですね。そういえば小学校の時に不器用で好きな子には意地悪をしてしまう男の子がいたなと、思い出したのでした。
好きなところ
似鳥さんが悔しがるときの表情がとても好きです。落ち込むよりくそ~!!と悔しがる方が、仕事でもなんでも前に進む原動力になっていいと思います。眉間にしわが出来ないように気をつけて!と心の中で思う私でした。
作品に関する思い出
好きな漫画家さんの本だからというのと、タイトルが「おたんこナース」と面白かったのとで、古本屋さんで全巻立ち読み(!)しました。後で気づきましたが、こういう医療関係の漫画って読んだのは初めてですし、珍しいのではないかと思いました。
作者に関して
佐々木倫子さんは「動物のお医者さん」を描かれた人です。そういえばこれも医療関係の漫画ですね。患者は人ではなくて動物ですが。絵に特徴があるので、すぐにこの方が描いた漫画だと分かります。絵は少女漫画っぽくなくリアルテイストで、話の内容はコミカルなので、そのギャップがあって面白いです。